同志社大学チャペル
京都府京田辺市, 2012
キリスト教精神に基づく有名私立、同志社大学の田辺キャンパスが建設されて数十年が経過していたが、ここには未だチャペルが創設されていなかった。そのため、中央広場に面するキリスト教文化センター前面の敷地と通りを挟みとなりの空地、この2つをつなぐ空間にチャペルとキリスト教文化センターの機能を盛り込んだ増築の建築計画が持ち上がった。
FBAでは同キャンパスの世俗性とチャペルの精神性を両立させる建築を提案した。他のキリスト教大学のキャンパスではチャペルを中心とした構成が一般的だが、ここではチャペルが個性を持ちながら、周囲に馴染まなければならない。
用地周辺の慎ましい佇まいを「遡及的に改宗させる」ような押し付けがましさを回避しつつ、チャペルがキャンパスに内包される形で密かな主張を持つ異次元空間をとなる。平凡な俗世より生まれ出でたるチャペルが、やがて脱皮して特別な存在へと進化するかのように。新しいチャペルの屋根は、キャンパスの建物の屋根の世界で始まり、徐々にキャンパスの建物群の単調な堅さを和らげながら、その屋根と遊び、自由を与える。
新チャペルは、天井から差し込む光の強さが変化し、それを介して 空に向かって開かれている。屋根は重厚かつ軽量、スチールウォールは周辺の景観を遮りつつ環境に溶け込む。新しい建築と周囲を分ける通り道が古代ギリシャのアゴラ(広場)となり、チャペルは周囲と一体化する。
(翻訳:山尾暢子)
京都府京田辺市, 2012
Type
文化施設, 教育施
Status
コンペティション
Team
フロリアン ブッシュ, 宮崎佐知子, 須藤朋之, 山脇ももよ, 宮本哲, 髙橋卓, ベルタ モラタ (研修生)
構造: OAK (新谷眞人, 須藤崇)
Size
790 m²
Structure
鉄板コンクリートサンドイッチ造