伊豆の国市伝統芸能会館
中部地方伊豆の国市, 2013
日本の伝統芸能は、想像上の神々を擬人化することから始まった。未踏の山岳地帯が広がる国土を背景に、こうした宗教的想像力が育まれたのであろう。
崇高な所作ー研ぎ澄まされた細かな動作、その最小限の表現こそが、全てを見せるよりも豊かな表現であるというのが能の心である。能の演者による正確な演技は、「完全なる無」に裏付けられたものだ。
伊豆の国市伝統芸能会館(ICPA)は、ただの舞台ではなく、二つの世界をつなぐインターフェイスだ。舞台という閉ざされた場所ではなく、村と山、過去と未来をつなぐ仲介者の役割を果たす。ICPAは、舞台と完璧な音響を超えて、「自然とその中に住む神々」という日本の芸能の原点を身近に感じる場所となる。
(翻訳:山尾暢子)
中部地方伊豆の国市, 2013
Type
文化施設, 劇場
Status
コンペティション
Team
フロリアン ブッシュ, 宮崎佐知子, 須藤朋之, 山脇ももよ, 宮本哲, 髙橋卓, マリア ソレール (研修生)
OAK: 新谷眞人, 川田知典
環境: ymo (山田浩幸, 土屋なつみ)
設備: ymo (山田浩幸, 土屋なつみ)
音響: 永田音響設計 (福地智子, 稲生眞)
Size
延床面積: 884 m²
Structure
鉄骨造, 木造